PNIに関する補足資料

PNI 資料

PNIを開発するにあたって私たちが調査した資料を
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更新日 2011-10-26 | 作成日 2008-09-12

*補足資料ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

革作りの現状

 元来鞣しの古典的なシステムでの、革の厚さ調節等の準備工程は、のら革*について行われていましたが、工業用の技術革新で作業の効率化を進めるうちに、クロム鞣しの後の分割が行われるようになりました。これは鞣し工場がすぐ加工できるように、原皮業者に未仕上げのクロム加工を施してから流通させるように望んだ結果です。この状態の原皮をウェットブルーといい(クロム以外のものをウェットホワイトとも言います。)輸送にも適しています。現在、日本の原皮の殆どは北米産と言われていますが、これらの原皮は当然のことながら殆どがウェットブルーです。
つまり、国内の鞣し工程から植物タンニンによる鞣しを行っても、現実的にクロム残留が起きる可能性が高いのです。また、ウェットブルーを使ったタンニン鞣しは本来の完全タンニン鞣しのものよりも製造時間の大幅な短縮が出来るため、工業ベースの革鞣し業としては非常効率の良い避けられない方法なのです。
 このように国内の植物タンニン鞣しでは、根本的に問題を抱えた革を利用せざるをえない状況があります。
 さて裏革は元々耐久性が低かったり、甲革に適さない素材や、あるいは甲革には不適合なクオリティーのものが利用されます。
このため、皮革技術協会などでは耐久力強化の為、固定液としてグルタルアルデヒドの塗布を推奨していますが、ホルムアルデヒドと同じアルデヒド類のこの化学成分の毒性は非常に高く、分子量も小さい為クロムと一緒に経皮吸収される可能性の非常に高い化学物質です。
 クロム鞣に利用される三価クロムは、六価クロムを還元して出来た毒性の低い化学物質です。しかし近年この三価クロムも触媒になる化学物質と何らかの原因で反応した場合、六価クロムに変化するということがあり、全く問題のない物質とはいえないようです。これらの点を踏まえ、私たちは全ての原皮をウェットブルー以外の非クロム加工の原皮とし、鞣しの工程では古来の植物タンニン鞣しの技法のままに製造された、100%クロムフリーの裏革を使用しています。PNI の子供靴は、素足で履いてさえなお、安全性の高い商品です。

 *のら革とは、動物から剥いだばかりの革をいいます。

裏革について

日本皮革技術者協会が同会の創立50周年記念事業の一環として出版した「皮革ハンドブック」という本があります。研究機関の学術研究の成果を一冊にまとめたものです。(樹芸書書房刊)
この本には以下のような裏革の説明があります。

「靴用裏革は靴の甲部の内側に接着又はミシン掛けをして甲革を裏張り補強する材料であり、主に羊、山羊、馬、牛などの銀付革
(表皮がある革のこと)や床革(銀面革をスライスして残った革のこと。スプリットともいう)が用いられているが、日本では豚の裏革が多用されている。裏革は靴下などを介して足に接触する為、その性状は靴の履き心地と歩行中の足の健康に関係が深い。このため次の諸点が重要視される。

  1. 弾力があり、足あたり(足への馴染み)が良いこと
  2. 足から発生する水分(汗)をよく吸収し、浸透し、仕上げ材の使用量が少ないもの
  3. 歩行時靴内での足の移動(靴とのずれ)を防止するため、摩擦係数が大であること。但し、摩擦が大きすぎると靴の脱着に障害となる。
  4. 汗による革の性能劣化を防止する為にグルタルアルデヒドなどで再鞣を施したものが良い。
  5. 靴下への汚染を避けるため染色摩擦堅牢度が大であること」

以上のように、裏革は製造面からの開発、つまり作り易く、壊れにくく、最低限の衛生環境を保つことを目的に作られていますが、素材の皮膚に与える影響等に付いては考えられていません。

耐汗試験でも分かる通り、歩行時に於ける靴内の発汗作用により、裏革からはクロム成分が
溶出することが分かっています。溶出したクロムは直接皮膚への刺激となります。
靴組み立てに使われる強い接着剤等の溶剤もこれに準じて溶出する可能性があり、靴内には
多くの化学薬品がしみ出す可能性があります。

裏革の強度を増す為に施される再鞣で使われるグルタルアルデヒドには発がん性があり、出来れば使われたくない化学薬品です。それぞれの資料は下からダウンロード出来ます。

こちらから資料をダウンロード出来ます。(PDF)